宇都宮ホームシック

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無くなった競馬場は2度と復活しない。ネット中継が当たり前になったり(宇都宮はレース画像配信に関しては主催者は配信したかったろうにできなかった理由があったんだよ。)、競馬場同志の横のつながりができはじめたりと進化していく中で、あと1~2年宇都宮が頑張れれば・・・と後悔してもしきれない。宇都宮から他場へ移籍した騎手が目覚しい成績をあげている。その活躍が目覚しいだけに「私達の山竜」だった山竜が「北海道の山竜」になってしまったえもいわれぬ寂しさ(もちろん活躍は嬉しいよ)。内田(ピンク)騎手はフリー活動を始めてやっとメディアが頻繁に取り上げてくれるようになった。で、この2人と同じかそれ以上の腕を持つ騎手がまだ他に3人も居たんだよと思い返しても、もうその騎乗ぶりを見ることはない。宇都宮は本当に騎手の宝庫だったんだ・・・他場に誇れるものすごい財産だったんだ、宇都宮の名前を背負ってもっと中央に遠征して欲しかった・・・なんて思ったって遅い。そんな思いを北関東競馬の消滅で今なおイヤというほど味わっている。

宇都宮競馬が「廃止まで3年の猶予」と宣告されて初めてファン有志が立ち上がり、3年で少しでも上向きの変化を見せたい気持ちでやれることをやってみたけど、行政の都合か、廃止は1年前倒しになり、やっと手応えを感じはじめたところで志半ばで絶たれてしまった。「はじめるのが遅すぎた。あと5年くらい前から気が付いていたら・・・」と皆が後悔している。だから、廃止決定まであと数ヶ月・・・なんてところで何をやったって残念ながら遅すぎることも知っている。

ともかく、全国地方競馬場のファンや厩舎関係者、地元商店会の方々、他場の廃止は他人事じゃないんです。自分達の街の競馬場が本当に廃止に瀕したときに同じように生活の危機を感じ、署名活動をするだろうという想像がつくようなら、今から盛り上げる努力をして下さい。主催者が経営努力をしない!と非難する気持ちもわかりますが、競馬事務所はその立場上思うように動きにくい事情もあったりするんです。厩舎関係者やファンが立ち上がった方が早いんですよ。宇都宮でたった2年だけど、培ったノウハウや感じたこと、やり残したと感じることが参考になるならば、いくらでも提供します。

[写真は宇都宮競馬最後の日のとちぎ大賞典。宇都宮が誇る5人の2000勝ジョッキーズが掲示板を独占したが、うち3人はこの日がラストランとなってしまった。]