チャンピオンシリーズ

JRA阪神競馬場で毎年12月第1週に行われる世界のトップジョッキーによる競演、「WSJS(ワールドスーパージョッキーズシリーズ)」。アメリカやフランスやイギリスやオーストラリアなど色々な国から一人一人が武豊級(表現微妙だけど)の騎手が集まって腕を競うのだ。この中にたったひとつの地方競馬騎手出場枠というものがあり、それをかけて、今現在、「SJT(スーパージョッキーズトライアル)」というものが地方競馬で行われている。

全国地方競馬各場の今年のリーディングジョッキー14名を一同に集め、盛岡競馬場で2鞍、園田競馬場で2鞍を戦い、着順によってポイントを与えられ、合計で最もポイントの多い騎手が「WSJS」に進む。これ、昨年まではたった一日、たった2鞍の合計ポイントで代表騎手が決められていた。騎乗馬は抽選で決めるが、馬の実力にある程度の差があるため、どうしてもどの馬に当たるかの運がかなり大きく作用していた。
今年からはJRAでの本戦と同じく、4鞍を戦って決めるという方法に変わった。しかも2場を使用するため、自分の所属する競馬場が舞台、という有利不利もちょっと少なくなった。完全にとはいかないが、公平さも増し、観戦する方もより楽しめる。

昨日、第1ステージとなる前半2戦が盛岡競馬場で行われた。初戦は笠松の濱口騎手がなんと14番人気の馬を1着に持ってきて優勝。第2戦はどう考えても勝つ強い馬に北海道の山口竜一騎手が10番人気の馬で負かしに行って僅差の2着。廃止になった宇都宮からの移籍騎手でキャラクター的にも腕的にも魅力ありすぎで特に贔屓にしている山竜が総合暫定2位で第2ステージに臨めるという状況もあるからだけど、なにこれ面白いよ~。

地方競馬から中央へたまに遠征する騎手の腕が意外に良いことを実感するJRAファンの人も居るだろう。素人目にも明らかに「上手いな~」と思う人が何人もいる。まぁそりゃ地方の騎手は上手くなるよ・・・と思う要因もいろいろあるけど長くなるので割愛。
そんな各地のリーディングジョッキーが一同に会して、しかも4つのレースを戦うなど、地方競馬ファンにとっては滅多に見ることのできない祭りである。一応、「ヒーローは誰だ!」というJRAと共同のキャンペーンを張ってはいるが、実際、どのくらい盛り上がっているのだろうか。

盛り上がっているのかいないのか、平日に盛岡まではちょっと行きかねる私にはわからないのだが、昨夜旦那と話していてナルホドなーと思ったこと。

「トライアル」とか「シルバー」とかつけるからなんとなく「なんだ前哨戦かぁ」と盛り上がりに欠ける。確かにJRAへのトライアルではあるのだけど、今シーズン1年をかけた、錚々たるメンバーの地方競馬リーディングジョッキーの頂点を目指す企画なんだから、そこをもっと「チャンピオン」とか最高峰チックな単語を使えばもっと盛り上がるんじゃないかと。別に今までも北関東ダービーを勝った馬が自動的にJRAの菊花賞トライアルの出走権を得ていたりもしてたわけだから、あえて「トライアル」と謳わずとも違和感はないと思うんだけどね。見方の問題というか、言葉のマジックというか、ちょっと視点を変えただけでもグっと面白くする方法ってあると思うわけだ。
でも、2戦から4戦に増えたことでも進化だよね。拍手モノである。

で、今日新しく発表された企画。国内唯一の女性騎手限定レース、「レディースジョッキーズシリーズ」。今までは荒尾で1日限り2鞍の企画だったのだが、今年から荒尾、高知、名古屋で各2鞍、3ラウンドに渡って全6鞍でポイントを競うらしい。もともと人気企画だし、すごくいいことなんじゃないか?